『焙煎直後の豆は落ち着いていない?ってどういう意味?』というお話。
- caffeepica
- 2024年1月18日
- 読了時間: 3分
Discoveryのデメリットのお話のときに少しだけ触れましたが、
焙煎直後の新鮮な豆を送る事は提供する側にしてみると
不安要素が増えてしまうというお話でした。
これはなぜなのか。
答えは
『焙煎直後の豆は抽出が難しくなるから』
です。
その理由を説明する為にまずコーヒー豆を飲めるようにする為に行う
「焙煎」という工程で起こるコーヒー豆の変化についてお話し、
今日は専門的なことは省いて「落ち着いていない」の言葉の意味を簡単にお話します。
まず。
炊飯前のお米粒と炊飯した後のごはん粒を思い浮かべ、
大きさのイメージを比べてみてください。
炊飯後のごはん粒の方が水分を含んで膨らみ、大きいですよね。

これとよく似た事がコーヒーでも起こります。
コーヒー豆は焙煎という工程で熱を入れます。
この焙煎という熱入れの工程で、コーヒー豆も膨らむのです。
ただし、炊飯で水分を含んで膨らむお米とは違い、
コーヒー豆は水分を含んで膨らむのではなく、
元々コーヒー豆が持っている水分が抜けて、豆の成分がガスとなって膨張して、
内から外へ噴き出そうとして豆が膨らみます。
焙煎直後のコーヒー豆一粒一粒の内部には細かい亀裂が発生していて、
その細かい亀裂にはガスが充満しています。
このガスは時間が経つと徐々に外部に排出されていき、
最終的にはガスが(ほぼ)出なくなります。
しっかり密閉されたコーヒーバッグで時々パンパンに膨らんだものを
見たことがある方も多いかと思います。
焙煎直後はこのガスがコーヒー豆の内部に過剰であるため、
ネガティブな風味が強くなりやすく、
何よりも抽出難易度が高くなります。
(ガスが多いとなぜ抽出難易度が高くなるのかはまた後日お話させていただきます)
抽出難易度が高くなるということは、
本来持っている豆の風味をお客様が抽出しきれない為、
風味を味わえずに終わる可能性が高いのです。
これが提供側の不安要素です。
『元々コーヒー豆が持っている風味が体験されずに消費されてしまう可能性が上がる』
ということです。
このガス過剰で抽出難易度が高い状態を落ち着いていない豆。と表現しています。
続けて読んでくださっている方は「少量でしか焙煎できない事のメリットの話1」で書いた
とあるロースターさんから買った豆が発注日の2週間前に焙煎した豆が届いた事を
好意的に見た場合の理由を少し理解して頂けるのではないかなと思います。
しかしその一方で
当日使う分のコーヒー豆は当日焙煎したものを使うというコーヒー店が存在しています。
これは何故なのか。
明日はこの
『当日焙煎した豆を使うお店の豆は・・・?』というお話。
決してネガティブなだけの話ではありません。
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